サツマイモの光合成能力に関するメモ

サツマイモは単位面積当たりのカロリー生産量が日本で栽培されている作物の中では一番とされている。

植物は光エネルギーを使って水と空気中の二酸化炭素から炭水化物(糖類)を合成する光合成を行っている。光合成能力(二酸化炭素固定能)の話になると出てくるのが、C3植物とC4植物である。

C4植物は、強光・高温下でC3植物に比べ高い光合成能力をもつ。
C3植物のみかけの光合成速度は、最大日射の1/2~1/4において光飽和に達するのに対し、C4植物では最大日射あるいはそれ以上にならなければ光飽和に達しない。

下記のサイトの「各種植物の光強度と生長速度の概要」にあるとおり、C4植物であるサトウキビやトウモロコシに比べると明らかに、イネやコムギといったその他のイネ科にくらべても光飽和点は低い。

サツマイモは光飽和点が快晴時の太陽光の3割~4割ほどです。

https://researchmap.jp/blogs/blog_entries/view/93408/4d4d4f0243ec86d2e551e815d40290cd?frame_id=537616

では、なぜサツマイモは単位面積当たりのカロリー生産量が高いのだろうか?
その理由は下記の通りで、一日当りの生産量×日数で考えると、 一日当りの生産量が多少少なくとも、日数が多いからである。

サツマイモは、栄養成長と生殖成長が明確に分かれているイネやムギ類、トウモロコシなどと異なり、比較的生育の早い時期からシンク器官が成長し、炭水化物が蓄積するので、短期間でも収穫を得られる利点がある。また、栽培時間を長くすると、蓄積期間が長くなるため生産量の増加や安定性が得られる。

https://ci.nii.ac.jp/naid/110000092027

ちなみに、一株当たりのイモの数は比較的生育の早い時期にほぼ決定されるが、大きさのほうはかなりの幅で生育に応じて変動し、サツマイモは、塊根数は植付後8週目頃までに、塊根長は生育前半の16週間、塊根幅は生育後半の16週間の生育速度に大きく左右されるとのことである。